作家小谷剛とベトナム
「作家小谷剛とベトナム」
*文芸誌「作家」を発行した小谷剛
名古屋市中川区尾頭橋は八幡園という遊郭の跡の残る、風情のある町です。
その町に戦後第1回の芥川賞を受賞した、小谷剛という作家が住んでいました。
小谷剛は大変におもしろい人で、産婦人科医をしながら、戦後すぐ同人誌を発行し、
「作家」という商業誌に匹敵するような全国規模の同人誌に育て、多くの同人や作家を生み出した人なのです。(タックラムの関わった雑誌「風俗」「今日」みたいですね)
*ベトナムと小谷剛
そして日本ベトナム友好協会愛知県連合会の第2期会長であり、ベトナム戦争中にはベトナム脱走兵を自分の病院にかくまっています。
当時はベトナム戦争に反対する人が多く、日本の米軍基地滞在中に脱走する米兵をかくまったりしてしました。「あるヴェトナム人」を書いた文学者の堀田善衞も、同様の活動をしていたそうです。
残念ながら小谷剛は1991年に亡くなっていますが、
生きているうちにぜひ一度お話を聞いてみたかった。です。
小谷剛WIKI
参考:「「作家」・芥川賞・おんな 戦後文化史の傍証」小谷剛 中日新聞社
写真は「女性のための文章作法」より