小説「安南の結婚」食べ物やダンスホール

結構おもしろい1938年の小説「安南の結婚」から
食べ物や風俗の紹介です。
●食べ物と宴会
ベトナムの作家って食べ物の描写が素敵ですが
この小説でも、宴会の食べ物が色々出てきます。
 杏酒、マイクロ(Rượu Mai Quế Lộ 薬草を入れた屠蘇酒)、
 シュムシュム酒(ベトナム語でChum Rượuなら壺の酒)
 豚の膀胱のスープ、うなぎ、つばめの巣、なまこ、タケノコ
 どしょう、おおぼら、ピータン、竜のひげ(?)、たまご、キノコ、子豚の丸揚げ
 ピーマン(?)に漆の箸、チェトオイの青い葉のお茶、しな茶、粉茶
 パイン、オレンジ、レモンの砂糖漬、青いパパイヤの砂糖漬、米のスープ
など おいしそうですね!
食べた後はカルタなどをして遊びます。
●子どもの服
小さな子どもは、おしりの割れたパンツをはいているそうです。
アジアによくある、すきまがあるズボンか、ふんどしのことでしょうか?
女学生は白いキャラコ(綿)のアオザイが制服になっています。
白なんて大変そうですが、漂白剤を使えるからいいのかもしれませんね。
●遊郭からダンスホールへ
小説によれば、昔は歌い女が教養があるので、男性は歌い女の元に通ったのが
最近は妻たちが教育されて教養があって、歌い女の魅力が減って
それでダンスホールなど作って遊びに行くようになったそうです。
奥さんや娘さんたちでもダンスホールに行く人もいます。
そこで阿片を吸う人もいます。
●街並み
学生たちが遊びに行く「植物園」はビュジニエ街
(rue Puginier 現在のĐường Điện Biên Phủ バーディン広場の辺り)
紙の村にも遊びに行きます(変なにおいと嫌がりながら)
カルノー街に、プチラック(ホアンキエム湖) 並木道
師範学校はドンカーン街にあります。
主人公の親友で西洋風に名前を改めた「ガビー」は
カルノー街(現ファンディンフン通り Đường Phan Đình Phùng)に住んでいます。
●洋行や葬式
この当時フランスまで行くのは、ハイフォンまで出て、船で100日かかります。
長いですね~。
葬式の後の喪の期間も長くて、50日間、100日間と死者に食べ物をあげるのだそうです。
死者が食べるのを見ないように、後ろを向いているそうですが
これは、貧しい人などが食べ物を持って行ってもいいように、ということでしょうね。
※写真はカルノー街(Đường Phan Đình Phùng) wiki