小谷剛その3 赤裸々がステキ

さて本日も日越協会愛知連会長だった、芥川賞作家小谷剛の話です。
彼は産婦人科医で、作家で、かつ編集者という多才な人です。
芥川賞受賞作を始め、随筆や小説には性を描いたものも多いです。
たとえば
・大学の新進教授が美しい院生にキスを迫って逃げられる話(今だとセクハラで訴えられそう)
・同じく京都の更生施設で隣に布団を敷いてもらって、入所者だった少女と一夜を過ごす話
 (これも今なら大問題かも)
・京都の母子寮を訪ねた学生の小谷が、元乳母役だった寮長の尼にせまられる(?)話
 (実名に近い名前にしてあるから、誰かわかってしまいます)
でも性を書くと読ませますよね。赤裸々で説得力がでるというか、なんというか。
彼は編集者で作家の先輩から、もっと自分を赤裸々に書けとアドバイスされたそうです。
ちなみにですが、ベトナムの僧は妻帯をしません。当然尼もです。
日本とベトナムの寺で交流をしようとしたときに、僧侶が妻帯すると知って
驚いて僧侶を日本に行かせるのを止めたことがあるそうです。
写真は仏学ネットより ベトナムの阿弥陀三尊(はでッ)
小説「青春の罪状」 小谷剛 文芸評論新社 1959年
随筆「検診台」 小谷剛 1956年 鱒書房 など