クォックグーで書かれた愛の物語「花を担いで」

花を担いで Gánh hàng hoa 1934
著者:カイ・フン Khái Hưng, ニャット・リン Nhất Linh
●あらすじ
 ハノイ郊外のフーティエップに住むミンは、美しい妻リエンの花売りの収入で暮らしている。優秀な成績で教師資格を取ったのもつかの間、ミンは祝いの席の事故で、目が見えなくなってしまう。
 教師をあきらめ、ミンは口述筆記で小説を書くようになり、成功する。目は治るが、ミンは看病で容色の衰えたリエンを捨て、ラブレターをくれた娼妓のニュンにおぼれ、家を出て行ってしまう。
 リエンはまたドンスアン市場へ花売りの仕事に出るようになる。2人の友人ヴァンの取りなしもあって、ミンは村の家に帰ってくる。
●コメント
 カイ・フンの文体がすっきりしていて、苦しい話なのに、明るさのただよう小説です。この漢文でもフランス語でもない、平易なクォックグーで書かれたところが、当時人気をはくしたんでしょうね~。
 しかし、成功した男の人って、どうして愛人を作りたくなるんでしょうね~。ミンはまた出て行ってしまうかもしれないので、ちゃんと離婚して、リエンに幸せになってもらいたいです。
花を担いで 出版社:穂高書店 訳者:片山 須美子  ゴック・ハ村の紹介 タンロン・ハノイ 写真も同様