好きなことをして大成功 王女ティエン・ドォン

「ヴィェトナム神仙の祖 チェ・ドン・トー(字童子)」
教育者である著者がベトナムでの従軍体験や教育の経験などを書いた本の中で、訳して紹介している神話です。
あらすじ
 ベトナム雄王(フン・ヴォン)の3代目の王の娘ティエン・ドォン(仙蓉)は美しく18歳になっていたが、結婚もしないであちこち旅して廻っていた。ある時、旅の途中で、王女はふんどしもないような貧乏な若者に出会って、従者たちの反対を振り切って結婚してしまった。
 2人は王宮に帰らず、市場を開いて交易をし大成功した後、僧の教えを請い、出家し、不思議なことに立派な屋敷ができ、そこに住むことにした。雄王(ひいおじいさん?)はこの栄えた都に怒って軍隊を出したが、戦いの寸前に都は消えてしまった。
コメント
 主人公のティエン・ドォン姫は気ままに旅をして、親の言うことを聞かず、商売や宗教で大成功してと、めちゃくちゃおもしろいキャラですよね!
 この本ではもう一つ「トゥ・トゥック(徐識)と仙女チャン・フォン(降香)の結婚」という、浦島太郎の様な話も紹介されています。こちらも主人公仙女チャン・フォンは、反対を押し切ってトゥ・トゥックと契ったり、ふるさとに帰った彼に「もう会えません」とだめ出しの手紙を書いたり、なかなか強いです。
ベトナムの民族・文化・教育  
出版社:明治図書新書43(ヴィェトナム民族・文化・教育)1969 訳者:古川原