かつてのベトナムの貧民ルポ 家族思いのおじさんがすてき

「腹を満たす Lám no」 著者ゴ・ダット・ト(ゴー・タット・トー) Ngô Tất Tố
●あらすじ
作家が水害にあった地域を訪問すると、おもしろいおじさんが水上に暮らしていた。
彼は捨てられた龍眼(ライチを甘くしたような果物)の種を食べられるようにしたり、
豆かすを工夫して食べたり、あの手この手で、家族を養っている。
「都会に働きに出ないのか」と問う作家に、
「そんなことをしたら、家族がこわれてしまう」と断るのだった。
●コメント
日本にもかつてあった、貧乏な地域の訪問記ですが、出会ったおじさんがおもしろい!
女房に女中奉公をさせると1か月1ドンにはなるけれど、夫婦疎遠になってしまう。「心はこころ、意はこころ」ですって
「カオバンの山河 Nươc non Cao Băng」 著者ゴ・ダット・ト(ゴー・タット・トー) Ngô Tất Tố
●あらすじ
桃源郷、仙人郷とも言われる美しいカオバンの訪問記
●コメント
ハノイ近郊のカオバンに自動車で行くのですが、この頃から皆さんドライブ好きだったんですね。もちろんある程度お金のある人でしょうが。
2編とも、続ベトナム短編小説選 出版社:大学書林 訳者:竹内与之助・川口健一・今井昭夫 
作者ホームページ ベトナム語
※作家の名前のカタカナ読みは、出版社では「Tất」がダットになっています。 写真はwiki